どうしてシャーベットやアイスは溶けるのに、人間は溶けないのだろう。
一行小説 小説最高ランク : 22 , 更新:
どうしてシャーベットやアイスは溶けるのに、人間は溶けないのだろう。
二つも貰ってしまった。連投になりますすみません。
「お、あの川良いね死にたくなってきた」
また彼女の妄言が始まったと私は溜め息を吐いた。そんなに死にたいならば勝手に今ここで死ねばいいと答えると、彼女は何でもない顔をして来週、読みたい本を買うからそれまでは死ねないと口笛混ざりに答えた。彼女はいつもこうだった。
素面のまま挨拶をするように死にたいと言えば何かに理由をつけて明日、また明日と死期を伸ばすのだ。
「どうしてシャーベットやアイスは溶けるのに、人間は溶けないのだろう」
この日もまた彼女が何かを言っている。私はもう聞き飽きてしまい又しつこいくらいの彼女の妄言に嫌気がさして持っていたカップに入ったアイスクリームをコンクリートに打ち付け自分でも飛び上がるほどの怒声を彼女に浴びせた。言葉の一つ一つが汚ならしく下品で日の光を浴びて鋭く輝いていた。
彼女は少しばかり目を開いていたがそれでも尚再びその似つかわしくないへらへらとした薄っぺらい笑みを貼りつけ如何したのだと私を笑う。それがたまらなく嫌で堪忍袋の尾が切れたとでも表せばいいのか獣のように刃を剥き出しにし彼女に飛びかかる自分自身を制御できないまこ辺りに唾を撒き散らした。その間私は恐ろしくなって脳味噌を締め付けている血管に血が昇りくらくらと目の前に白い斑点が幾つも見えた。
そんな薄っぺらい笑みで終らせようとする彼女が許せなかったのだ。己の命を空気より軽く蟻よりちっぽけなものとして扱う彼女が我慢ならなかった。
「えぇー……そう言われてもなぁ」
彼女は少し黙ると又例の笑顔を貼りつけ、今度は何も言わずアイスクリームを平らげると地面に転がっていた小石を拾いポケットに入れその場で二回ジャンプをした。
「人間ね、逃げ道がないと生きていけないんだよ」
しまった小石を取りだし川目掛けて大きくふりかぶる。小石は地面に二三回打ち付けられゴムボールのように跳ねたかと思うと川へ辿り着くより手前で止まった。鞄を提げ差し出された彼女の手を素直に取ることは私には出来なかった。
有り難う御座います。その御言葉だけで後十年は生きていけそうです((
嬉しさのあまり言葉がもう有り難う御座います、しか出る気配がしませんが誉めちぎって頂き本当に有り難う御座います。感謝の言葉しか出ません。
二代目北斎
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