二番手だってわかってたの[オリジナル小説]

線画 小説(もどき)
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最高ランク : 119 , 更新: 2016/02/28 9:39:34

⚠注意⚠

この小説には性。的表現などが含まれます。

ワンクッション

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ただ、寒かった。
キュッと白い雪を踏み締めて歩いた。
辺りは暗い。街灯の灯りが積もった白さを際立てていた。

朝は、こんなに寒くなかったじゃない。
少しイライラしながら、首もとをふわふわと包みこんでいるマフラーを鼻まであげる。
これで多少は暖かいだろう。
 
「寒いよ」
 
ぽつり。
 
「寒い」
 
また、ぽつり。
 
「好きっていったじゃん」
「知ってた、嘘だって知ってた」
 
頬が熱い。喉の奥が痛い。視界が歪む。
ポロポロ。ちりちり。ゆらりゆらり。

悲しい三重奏。
体も頭も、私のどこかにある心も全部が痛くてぐちゃぐちゃ。


私は彼にとってなんだったか、なんて。
考えなくたって分かる。
精の捌け口でしか無かった。
 
ラ ブホテルのベッドで交わるだけの。

彼にとっては、ただ、一瞬の気持ちよさのための行為だったろう。
でも、その一瞬を得るまでの時間が。
 
とても、愛しいものだった。

ぼんやりと、最後の交わりが頭に浮かび上がって。
やけに、彼の吐き出す言葉は甘く。
甘ったるくて、息も出来なかった。

「あ、あ、あ、」
嗚咽。
 
わかっていた。
あの甘い甘い快 感も何もかも全て私に向けられたものじゃない。

でも、私は。

嘘でも、彼の。彼からでる[熱さ]と[甘さ]が欲しくてたまらなくて。
彼が、好きだった。

側にいたかった。私を見て欲しかった。

 
「好きだよ」
 
少しかすれた声も。

「ねえ」

クセのある黒髪も。

「嘘つき」

少し潤んだあの瞳も。
少し厚い唇も。


低く呻いた声も。
0.0何㎜越しに感じた君の白い熱も。

全部。
全部全部。

ほしかった。
 
「嘘でも、好きっていったじゃない」

視界は白く揺れたまま。

ラリヤス河合


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