パロの続き
NAOMIKU☆ LDH最高ランク : 71 , 更新:
※グロ注意※………多分。
TETSUYAside
「何で、岩ちゃんが……。」
NAOTOが震えた声で言う。
「犯人は絶対この中にいます。一定時間証拠を集めてから裁判…いえ、会議を開きましょう?」
いつもの声よりも低く、落ち着いた声で玲於が言った。俺は玲於の言葉に違和感を覚えた。
「何で犯人はこの中にいるって分かるの?」
俺の言葉に皆確かに…、と騒ぎ出した。そんな皆の様子をものともせず玲於は言った。
「だってここはあくまでも芸能事務所。防犯カメラがあちこちに取り付けてあるのはもちろん、警備が誰か知らない人が入ることができるほど甘いわけがないじゃないですか。」
「それはそうだけど、じゃあ疑うのも悪いけどスタッフさん達は?」
「会って数分の人をこんなにもズタズタに切り裂くことができますかね?それよりかは何年も一緒にいる人達がやったと考える方が合理的じゃないですか?」
「そ、そうだな……。」
筋が通っていて言い返せない。でも…、
「どうして俺達が?警察がいるじゃん。」
「警察なんてアテにできませんよ。何ヵ月も掛からないと捜査が進まないなんて。それに調べるの下手くそで推理もまともにできないバカばっかり。俺達がやった方が早いですよ。どう考えても。」
「う、うぅん……。」
「もう質問無いですね。俺は証拠集めるんで邪魔しないでくださいね。」
そう言って淡々と岩ちゃんの周りを探り始める玲於。
こいつ、やっぱり何かしらあったな。
ヒントはきっと忽然と居なくなった時をどう考えるかにあるだろう。きっと。
俺達はある会議室に集まっていた。理由は岩ちゃんを殺した犯人を見つけるため。
「では会議を始めますね。」
司会は何故か慣れている玲於。
玲於の言葉に皆無反応だ。
「……では早速いかせていただきますね。凶器は折り畳み式小型ナイフでした。短いのでそこまで大事に至らない筈なんですが刺された場所が悪かったのと数で死んだと思われます。部屋に落とされていました。俺が思うに、犯人は持っているとヘマをしたときに危ないと感じ、置いていったのかと思います。場所は普段使われない部屋。防音室でした。恐らく犯人は犯行がバレないように大声を出しても聞こえない防音室を選んだと思われます。第一発見者は直人さん。楽屋に中々帰ってこない岩さんを探していたところ発見でいいですか?」
「……う、うん。」
「これで基本的な事が確認されましたね。その場に落ちていたものを凶器以外の物を出したいと思います。俺が見付けたのは三本の薄い色の赤い糸。生地からTシャツかなと思います。」
しっかり袋に入れられた短い三本の薄い赤の糸。
「この事から俺は犯人は亜嵐くんだと俺は思う。」
「「「!!?」」」
「お、お、おれ……?」
名前を突然呼ばれた亜嵐は動揺している。
「へぇ…どうしてそう思うの?」
わざと鎌を掛ける様に言ってみる。
「動機は『狂った嫉妬』かな。俺と岩さんはもう何年もの付き合い。それを埋めることを出来ない亜嵐くんは岩さんに激しく嫉妬したんだよ。最近、そういう話よくされるしね。『俺は岩さんがうらやましい』ってね。」
「た、確かにしてるけど…でも、でも!俺じゃないよ!!」
「それに、もうひとつ、」
「な、なに…?」
玲於は亜嵐を鋭い目つきで睨み付けて言った。
「この糸の生地で赤を着てるのは亜嵐くんだけなんだよ。」
「ぅっ…あっ……」
玲於の決定的な言葉により亜嵐が声を出せなくなった。
……待てよ。本当にそうなのか。あの糸は本当に赤なのか。よく見ろ俺。確かに亜嵐は赤を着ている。でもあの赤なのだろうか。色が違う気がする。亜嵐は濃いぞ。もしかしたら、岩ちゃんの血が染み込んだだけかもしれない。
「玲於、」
「……なんですか?」
「その糸、見せてくれないかな?」
「いいですよ。ほら。」
そうだ。うん。亜嵐の赤じゃない。明らかに薄い。俺達は遠くから、ということに騙されていたんだ。これは岩ちゃんの血で色が変わっている。じゃあ元の色は?どこか、どこか、無いか?糸にヒントは。
糸をまじまじと見つめた。
そして見つけた。本当の色。後は動機と何故そいつと思ったかの理由だ。
動機は何故だ。性格は、性格から考えろ。性格は負けず嫌いで一番がいい。……一番?そうだっ、ついさっきのことを俺は忘れていた。そしてもっともっと前のことも思い出せた。何故その人が人を殺すことができたかの理由も分かった!
よし、今から反撃だ。
「……俺は違うと思うよ。」
大きな声で静かに言った。そのお陰で皆亜嵐から俺に視線を変えて俺を見つめた。
「……では言ってもらいますね。何故違うのか、そして動機は、証拠は、そして誰が犯人なのかを。」
「うん。まずこの糸なんだけど俺達は遠目でしか見ていない。というところに騙されていたんだ。もしかしたら赤い何かを吸い取って赤に変わったかもしれない。じゃあ質問。その赤い何かってなんだと思う?」
「…どう考えても岩さんの血じゃないですか。バカにしてるんですか?」
「そう、岩ちゃんの血を吸ったんだ。だから赤に見えた。よくよく見れば亜嵐が着てる赤とこの赤の色が明らか違うんだよ。この糸の色が薄い。吸っただけだからね。でね、この糸、本当の色は実はオレンジなんだよ。」
「…どうしてオレンジだと?」
「糸の端の方が血を吸っていなかったんだよ。証拠はこの糸が残してくれた。」
「なるほど、では動機はなんですか?」
「動機は『狂った嫉妬』だよ。」
「…亜嵐くんと同じ?」
「うん。でもこれはダンス上と性格の問題だ。犯人は岩ちゃんと同じダンススタイルなんだよ。そして岩ちゃんの後輩。何においても尊敬していた。でもある日その人の性格的にそれが嫌になった。その人の性格は負けず嫌いで何でも一番がいい。誰かの下に付くのは嫌。だから頑張っても頑張ってもいつまでも上にいる岩ちゃんが憎かった
。
そうだよね、玲於?」
今度は玲於に全ての視線が集まった。
「へぇ、俺ですか。」
「ひとつ、予想外のことが起きたでしょ。それは岩ちゃんが激しく抵抗したことで岩ちゃんが血まみれの手でオレンジのシャツを触った事。隠す方法はそこを切り取ること。でも変に切ればダサいと怪しまれてしまう。だから雑に千切ったんでしょ。雑に千切ればおしゃれとして入れてもらえる。ダメージジーンズのように。そのときに出た糸なんだよ。これは」
「そしてもうひとつ。」
「なんですか…?」
「玲於はさ、人を殺すことに躊躇なかったはずだよね。」
「えっ、どうし…」
「決まってるじゃん。人をもうすでに殺したことがあるんだよ。」
俺の言葉にみんなざわついた。
「玲於が高校生になったとき、確か『超高校級のダンサー』と呼ばれていたとき、玲於は忽然と姿を消したあの日、それは希望という名の絶望の学校に行って殺し合いをしてたから。」
「何故そう思うのですか?」
「その日にはエリートと呼ばれる多くの高校生が消えたんだ。それはもうそれしか無いんだよ。場所は…希望ヶ峰学園。そこから出るには人を殺して皆を騙すこと、それをしてきたから俺達の前に今ここにいる。玲於のもうひとつの名前、それは『超高校級の嘘つき』だよね。だから自分の可能性を完全に排除して亜嵐に擦り付けることができた。岩ちゃんを殺すときにそれを全て計算してたんだよね。ただちょっと計算外な事が起きたけど、」
玲於は下を向いて黙った。握られた拳が震えている。それは俺にとって勝利を意味していた。
「玲於はさ、これで終わらすつもりは無かったよね。バレなければあともう…『黙れ。黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ…!』」
「うぜぇんだよ!全部知ったようなこと言いやがって!そうだよ、俺だよ!いつまでも偉そうにウダウダウダウダ言ってくるあいつを俺は殺したよ!そしてそこにいるお前らも殺すつもりだった!上にいるから!ただただその理由でッ!何か?何か文句でもありますか?」
狂ったように叫ぶ玲於。指を指されたAKIRAとNAOKIは肩を震わした。
「まずはあんたを消しておくべきだったかなぁ、ねぇ?まぁいいよ、だってここにはお仕置きは無いから。警察もバカだから片付ければ分からないだろうし、」
「岩ちゃんの死をを無かったことにするつもり…?」
「そ、毎日筋トレ、撮影、リハがキツかったようで逃げました~って言っときゃなんとかなるって」
「最低…!後悔もしないつもり?」
「後悔?するわけないだろ?寧ろ精々してるわ。あんなの居なくなって。んじゃ、片付けてきまーす」
「まて!」
俺の言葉を無視して玲於は会議室を去った。
今のは本当だったのだろうか。
思わず考えた。玲於はあくまでも超高校級の嘘つき。もしかしたら…。いや、どうだろう。あの腐った性格が……。
「て、哲也さん、」
「ん?」
俺の横に来たのは亜嵐だった。
「あ、ありがとうございました。多分俺あのまま何も言い返せないままでした…。にしてもどうしてひっくり返す事が出来たんですか?」
「え?ああ、うん、まぁ何でかな?たまたま頭が冴えてたみたい。多分大切なメンバーの事だったからかな?」
「へぇ…。あの玲於は、どうしたら…?」
「もう人を殺すっていうことはしないと思うけど、まぁ、よく見てあげて。」
「け、警察は?」
「今さら警察につき出しても全て片付いてるはずだから説を立証するのは難しいから止めとこう」
「そ、そうですか、お、俺も帰ります。」
「うん、お疲れ」
亜嵐がいなくなった事もあり皆解散した。今は俺だけが残っている。
「……流石に言えないよなぁ」
思わずため息をついた。
そう、実は俺も希望ヶ峰学園に行った。超高校級の優しさとして、もちろんそんな俺が人を殺せる訳がなく黒幕を見破って出てきたのだが。
こんなことを考えても仕方がない。とりあえず家に帰って1日を越した。
いつも通り出社する。一番に会ったのが運悪く玲於。
「おはようございます。哲也さんっ」
いつも通りの玲於だった。流石は超高校級の嘘つきだ。昨日の事があったとは思えない。
「…まだ俺は許した訳じゃないから。」
俺が言うと玲於はそうですか、と軽く流した。
今日からまたいつも通りのようでいつもと変わった毎日が始まった。
※パロ作品⇒ダンガンロンパ
次はフィッシャーズかも…w
玲於パレス⚓️🤟🐷
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